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入谷式足底板岡山支部

先日の症例検討会の内容

入谷式足底板岡山支部では、924日(土)に園部俊晴先生をお招きして「症例検討会」を開催することができました。その時の内容を報告させて頂きます。

「症例検討会」とは、実際に患者を出し、目の前で評価および治療、そして足底板作成するまでの過程をすべて行い、その後ディスカッションを行うといった方法で、今後、入谷式の発展のために絶対必要だと園部先生が考えている勉強会の方法です。

開催時間は2時間から2時間半で、参加者は入谷式足底板上級修了者を中心に約14名で行われました。初めに入谷式足底板の考え方を基本とした講義が行われ、その後、実際に疼痛を有する参加者を症例としてデモンストレーションが行われ、機能解剖を中心に考える組織学的推論と荷重配列と力学を中心に考える力学的推論より仮説検証作業(より詳細な評価)へと進みました。最後にインソールを作成し、実際に装着して症状の有無、歩容の改善度を確認した後、症例について論理的に解説して頂きました。

症例検討会の意義

いままで入谷式足底板は凄いけど感覚的な面が多く理解しにくいこともあり皆からハードルが高いと言われることがしばしばありました。しかし、この度のように力のあるインストラクターがデモンストレーションを通して知識、技術を披露してくれることで本物志向の人々がどんどん興味を持ち各会員のレベルも向上するものと思われます。また、会員相互の横の連携も密となり、一定以上のレベルを共通理解できることが可能になるものと思われます。この症例検討会が、各地に広がることで本当の力を持った職能集団として入谷式足底板が社会に認知されて行くのではないかと思います。

感想

 実際の患者に対して問診、姿勢・歩行評価等よりリーズニングを行い、さらに詳細な評価より仮説を検証してインソール作成、合わせ、歩行動作のチェック後、完成までの一連の流れを解説しながら終了しました。まず驚いたのは、先生の手際の良さでした。解説しながら時間にして1時間余りでした。そして次に驚いたのが、評価の正確性と問題点を確実に修正、変化させていくインソールの作成技術でした。またそこには先生の多くの工夫が見られました。こうした一連のことは、講義で聞くだけ分からない点が多っかたように思います。しかし症例検討会では、実際の臨床で行っていることを“生で見れる”という大きな利点があると感じました。

インストラクターには、見る者たちを納得させる力量が必要です。それには、

リーズニングにより確実に原因を見極め、それを正確に変化して行く力量を持っていること。そしてできるだけ短時間で作成できること。この3点の重要性を改めて感じました。

症例検討会は、ごまかしは効かず自己満足の世界で終わるわけにはいきません。掛け値なしの本物で勝負する場です。臨床においても良いインソールを作成すれば2足目、3足目と患者さんは再来してくれます。しかし効果がなければ二度と来てはくれません。

今回、先生はご自分の有する知識と技術をおしみなく私たちに披露して下さいました。

自分ひとりで悩み考えていたのではいつも同じ場所で躓き前に進めないことも多々あります。しかし、検討会に参加すれば多くのヒントやアドバイスを得ることができ、次へ進む力を貰うことができるのです。

検討会が終わりこの2週間余り、臨床において新しい試みの中で悩みながらも楽しい時間を過ごしています。疑問も多く抱えながら次の症例検討会を楽しみにしています。

入谷誠先生御逝去後、この1年、入谷式足底板の将来は霧に包まれていた感がありましたが、今回の症例検討会に参加して霧の先に入谷式足底板の確かな明かりを感じ得ることができました。

入谷式足底板岡山支部

                               支部長 小林 正人


by iritanimethod | 2016-10-12 12:05 | 支部活動
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